TBW No.116, 2007.09.26
W杯最終戦
拓志は、先週木曜日から春休みに入りました。春休みは10日あまりしかありませんので、昨年同様オーストラリアには来ないで、ヨハネスバーグのキャメロン君のお宅と、毎度お馴染みネイサンの家でお世話になることになっています。隼矢も、今度の土曜日から2週間の春休みに入ります。隼矢はもちろんイーデンに戻り、ゴルフ三昧の生活を送るそうです。彼はここのゴルフクラブの学割会員で、年会費20ドル(2千円)払えばあとはプレーし放題。遊ぶ場所の少ないこの街では、クラブサマサマという感じです。
W杯ラグビーは、今週一杯予選リーグが続いていますが、その南ア代表のコーチ陣に、前回のW杯でオーストラリアを準優勝に導いたエディー・ジョーンズが名を連ねています。今回のW杯直前、南ア・ホワイト監督にテクニカルアドバイザーとして招聘され、試合中は同監督の隣にいつも座っています。しかし、周りのスタッフ全員がスプリングボックスのブレザーを着ているのに、彼だけは私服。不思議に思っていたのですが、南アの新聞のウェブ版記事 を読んでその理由が分かりました。南ア・ラグビー協会が、ジョーンズ氏雇用時に、スプリングボックスのブレザーを着用しないことを条件としたのだそうです。記事は、「荷物運搬係でさえボックスのブレザーを着ているのに、重要な役割を担っているジョーンズ氏がブレザーを着られないのはおかしい。」と、同氏の着用が認められるまで、スプリングボックスの連中もブレザーを着ないことにした、と続いていました。
数年前から同協会がホワイト監督に対し、決まった人数以上の有色人種の選手の出場を義務付ける付けないでもめていました。元々、白人中心のスポーツだったラグビーですから、以前の南アラグビー協会のトップは全員白人でしたが、最近は有色人種の方が発言力を持っています。新政権発足後、白人優位体制の象徴として、その牙城をぶっ潰す槍玉に上がったのだと思います。ジョーンズ氏の話は、直接人種問題とは関係ありませんが、それにしてもケツの穴の小さい話。選手たちの方が、よほどビッグハートを持っています。実は、このジョーンズ氏の母君は日本人です。今大会でも、ジャパンが91-3と苦杯を舐めさせられた憎きオーストラリアの元監督ではありますが、日本人の血を引き、今は南アのブレインとして働いている点からも肩を持ってやりたいですね(狭量さ・権威主義は、どこかの協会も同様のようで)。
さて、ジャパンは先週木曜深夜にウェールズ戦、そして昨夜カナダ戦がありました。ウェールズ戦は予想通り18-72と大敗し、決勝トーナメント進出の目はなくなりましたが、今回ジャパンの最終戦となったカナダ戦は、12-12の引き分けにこぎつけました。前半は5-0とリード。後半に入って8分頃と25分頃に得点されて5-12となりました(この時点で、私は負けを覚悟)。そして、画面の時計が40分を越えたところで、カナダがボールを外に蹴り出しました(表示は40分20秒)。最近は、40分を過ぎて次にプレーが途切れたところで試合終了となりますので、これで万事休す・・・と思ったら、レフェリーが「ラスト1プレー」と声を掛けました。あーありがたやありがたや。ここから日本はしつこい連続攻撃でカナダ陣に攻め込みます。
先週のフィジー戦でも、ラスト1プレーとなってから5分近く途切れず攻撃を続けるジャパンに胸が熱くなりましたが、今回も同様です。そして、ゴール前のライン攻撃から小さなキックでトライを狙いましたが、これが外に出てしまいました。今度こそ絶体絶命と思いましたが、レフェリーが第4審判(際どいプレーに際し、ビデオで確認する審判)に何か確認を依頼しました。トライでないことは明白でしたが、カナダの選手の動きを確認していたのです。結果はその選手の反則で、ゴール前からジャパンの攻撃再開、そして右隅にトライ!! 久し振りに、ラグビーを見ていて興奮のあまり鳥肌が立ちました。トライ後のキックは難しいところからでしたが、見事に大西選手が決めて・・・歓喜の引き分け。いやー本当に応援のしがいのある試合でした。ロスタイム延長といい、最後のカナダの反則といい、レフェリーは幾分日本贔屓に笛を吹いたようにも見え、まさにレフェリーサマサマですが、彼こそ南アのトップレフェリーであるカプラン氏。さすがに南ア人、いざという時に頼りになります(ウェブサイトによると、カナダの主将=最後の最後で反則を取られた選手=は、カプラン氏の時計は壊れていると毒づいているらしい)。これでジャパンのW杯記録は、1勝18敗1分けとなりました。まだ先の話ですが、今回善戦に導いたカーワンコーチの続投が決まっていますので、次回4年後が楽しみです。
さ、来週からの決勝トーナメントは、気合を入れて隼矢と南アを応援したいと思います。
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